葬儀の流れは、大きく「臨終直後」「葬儀社との打ち合わせ」「通夜・告別式・火葬」「葬儀後の手続き」の4段階に分けられます。身近な人を亡くした直後は、深い悲しみの中で短期間のうちに多くのことを決めなければならず、何から手をつければよいか分からなくなりがちです。
搬送先の決定、死亡届の提出、葬儀社との打ち合わせ、参列者への連絡など、やるべきことが同時並行で押し寄せてくるため、あらかじめ大まかな流れを知っておくだけでも心の準備がしやすくなります。
本記事では、臨終から四十九日までの流れを時系列で整理し、それぞれの段階で必要な手続きや注意点をまとめます。
葬儀の流れは「臨終から四十九日」まで大きく4段階

一般的な葬儀では、亡くなった当日または翌日に通夜、その翌日に葬儀・告別式と火葬を行う流れが多く見られます。
ただし、火葬場の空き状況によっては数日待つこともあり、必ずしもこの日程通りに進むとは限りません。
まずは全体の流れを把握したうえで、それぞれの段階で「誰が」「何を」決める必要があるのかを見ていきましょう。
家族葬の費用相場や具体的な内訳は家族葬の費用相場を解説した記事で整理しています。
臨終直後にすること|死亡診断書・搬送・安置
臨終の直後は、まず医師から死亡診断書(病院以外で亡くなった場合は死体検案書)を受け取ることから始まります。この書類は、後述する死亡届と一体になった様式で、死亡届の提出に必須なので大切に保管してください。
病院で亡くなった場合、遺体をいつまでも病室に安置しておくことはできないため、葬儀社を決めて搬送を依頼する必要があります。
生前に葬儀社を決めていない場合は、病院から紹介される葬儀社にひとまず搬送のみを依頼し、葬儀内容の打ち合わせは落ち着いてから改めて行うことも可能です。
搬送先は、自宅、葬儀社の安置施設、または火葬場に併設された安置室などが選択肢になります。
自宅での安置は、故人との最後の時間をゆっくり過ごせる一方、集合住宅の場合はエレベーターの大きさや近隣への配慮が必要になることもあります。
判断に迷う場合は、搬送を依頼する葬儀社スタッフに率直に相談すると、状況に合った選択肢を提案してもらえます。
安置期間は、火葬場の空き状況によって延びることがあります。「亡くなったらすぐ火葬できる」とは限らない点は、心づもりとして知っておくとよいでしょう。
火葬場の都合で日にちが空いてしまい、その間安置してもらうのに費用がかかりました。家族葬なのにこんなに費用がかかるとは思わず、正直驚きました。
死亡届の提出と火葬許可申請
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)に提出することが法律で定められています。提出先は、死亡地・故人の本籍地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場で、死亡診断書と一体になった死亡届の用紙に必要事項を記入して提出します。
出典:戸籍法第86条
死亡届を提出すると、通常は同時に「火葬許可証」が交付されます。
これがないと火葬場で火葬を行うことができないため、実務上は葬儀社が死亡届の提出から火葬許可証の受け取りまでを代行してくれることがほとんどです。
なお、法律上、埋葬または火葬は死亡から24時間を経過した後でなければ行えないと定められています。
感染症による死亡など一部の例外を除き、亡くなった当日にそのまま火葬することはできません。
葬儀社との打ち合わせ〜日程決定
搬送・安置と並行して、葬儀社との打ち合わせで葬儀の形式・規模・日程を決めていきます。家族葬にするか一般葬にするか、宗派・菩提寺の有無、参列者の見込み人数、祭壇や返礼品のグレードなど、決めることは想像以上に多くあります。
日程は、火葬場・式場の空き状況、僧侶の都合、遠方から来る親族のスケジュールなどを踏まえて調整するため、必ずしも希望通りの日取りにならないこともあります。
打ち合わせの場では、悲しみの中で冷静な判断がしづらいことも少なくありません。
喪主以外の家族も同席し、参列者の把握や式場の希望などを分担して確認できると、負担が一人に集中しにくくなります。
特に、誰にどこまで訃報を知らせるか、参列を辞退してもらう範囲をどう伝えるかは、家族葬を選ぶ場合に特に悩みやすいポイントです。
呼んだ人が案内していない人を連れて来場し、想定人数を超えてしまったという声もあるため、参列予定人数は少し余裕を持って見積もっておくと安心です。
複数の葬儀社を比較検討したい場合は、事前に家族葬の費用を抑えるポイントを解説した記事も参考にしてみてください。
通夜・葬儀告別式・火葬当日の流れ


一般的な流れでは、1日目の夕方から夜にかけて通夜を行い、参列者への通夜振る舞い(軽い飲食の席)を設けます。
2日目の日中に葬儀・告別式を行い、そのまま火葬場へ移動して火葬、収骨(骨上げ)という流れが多く見られます。
地域や宗派によって式次第の細かい違いはありますが、大枠の流れは共通しています。
告別式では、僧侶の読経・焼香に続いて、弔辞・弔電の紹介、遺族の挨拶といった流れが一般的です。
火葬場では、火葬中の待ち時間に控室で軽食を取りながら過ごし、火葬終了後に収骨を行って骨壺に納めます。
その後、初七日法要を葬儀当日に繰り上げて行い、参列者と会食(精進落とし)の席を設けるケースが近年は多くなっています。
本来の初七日は死亡日から数えて7日目に行う法要ですが、遠方の親族が再度集まる負担を考慮し、葬儀当日にまとめて行う「繰り上げ初七日」が主流になっています。
当日は喪主・遺族が挨拶や弔問対応に追われるため、受付や会計、参列者の誘導などは親族や葬儀社スタッフに分担してもらうのが一般的です。
参列予定人数と実際の来場者数が食い違い、飲食や返礼品が足りるか不安になったという声も寄せられており、余裕を持った人数見積もりを心がけるとよいでしょう。
葬儀後に必要な行政・金融機関の手続き


葬儀が終わってからも、行政・金融機関での手続きが続きます。代表的なものに、健康保険・年金の資格喪失手続き、世帯主変更届(該当する場合)、生命保険の請求、そして故人名義の銀行口座の凍結解除・相続手続きがあります。
金融機関は死亡の事実を把握すると口座を凍結するため、公共料金の引き落としなどが急に止まってしまうこともあり、事前に把握しておくと慌てずに済みます。
健康保険・年金の手続きには期限が定められているものもあり、葬儀の疲れが残る中で並行して進める必要があるため、可能であれば親族間で分担して対応するとよいでしょう。
相続手続き自体は葬儀とは別の大きなテーマになるため、相続の流れや必要な手続きの詳細は相続手続きの流れを解説した記事で整理しています。
葬儀の直後は気持ちの整理がつかないまま実務対応に追われることが多いので、早めに全体像を把握しておくと安心です。
手続きの多くには「〇日以内」という期限が設けられているものもあるため、葬儀が落ち着いたら早めにリストアップして優先順位をつけることをおすすめします。
四十九日・納骨までの流れと事前にできる準備
葬儀後は、初七日(葬儀当日に合わせて行うことも多い)、四十九日法要、納骨という流れが一般的です。
四十九日法要のタイミングで納骨を行う家庭が多いですが、お墓の準備が間に合わない場合は、一周忌や気持ちの整理がついたタイミングまで延ばしても差し支えありません。
あわせて、四十九日を目安に香典返し(半返しが目安とされる返礼品)を手配するのが一般的な慣習です。
お墓の種類や費用についてはお墓の種類と違いを解説した記事もあわせてご覧ください。
四十九日法要は、僧侶に読経を依頼し、親族が集まって焼香を行うのが基本の流れです。
法要の日取りは、命日から数えて49日目に近い週末に設定することが多く、菩提寺や親族の都合を早めに確認しておくと調整しやすくなります。
お墓がまだ決まっていない場合、法要の日程だけを先に決めておき、納骨は改めて別日に行うという進め方も一般的です。
ここまで紹介した流れを振り返ると分かる通り、亡くなった直後は決めることが非常に多く、悲しみに向き合う時間を後回しにせざるを得ない場面が少なくありません。
可能であれば、生前に葬儀社の希望や宗派、菩提寺の有無、エンディングノートなどで本人の意向を確認しておくと、いざというときの家族の負担を大きく減らせます。
葬儀の流れに関するよくある質問
- 亡くなってから葬儀まで何日くらいかかりますか?
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亡くなった当日または翌日に通夜、その翌日に葬儀・告別式と火葬を行うケースが多く、目安として2〜4日程度です。
ただし火葬場の空き状況、僧侶の都合、遠方の親族のスケジュールなどによっては、それ以上日程が空くこともあります。
特に年末年始やお盆の時期は火葬場が混み合いやすいため、日程がずれ込む可能性が高くなります。
- 死亡届は誰が提出しますか?
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親族などの届出義務者が提出しますが、実務上は葬儀社が代行して提出してくれることがほとんどです。死亡の事実を知った日から7日以内という期限があるため、早めに葬儀社と相談しましょう。
- 亡くなった当日に火葬することはできますか?
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法律上、埋葬または火葬は死亡から24時間を経過した後でなければ行えません。感染症による死亡など一部の例外を除き、当日中の火葬はできない決まりになっています。
- 葬儀社が決まっていない場合はどうすればいいですか?
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病院で亡くなった場合、病院から紹介される葬儀社にひとまず搬送だけを依頼することもできます。葬儀内容の打ち合わせは、搬送・安置が済んで落ち着いてから改めて行っても問題ありません。
- 葬儀後、銀行口座はいつ凍結されますか?
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金融機関が名義人の死亡を把握した時点で口座は凍結されます。公共料金の引き落としなどが止まる可能性があるため、葬儀費用や当面の生活費は事前に確保しておくと安心です。
まとめ
葬儀の流れは、臨終直後の搬送・安置から、死亡届の提出、葬儀社との打ち合わせ、通夜・告別式・火葬、そして葬儀後の行政・金融機関の手続きまで、短期間に多くのことを進める必要があります。
全体の流れをあらかじめ把握しておくことで、いざというときに何から手をつければよいか分からず慌てる状況を減らせます。可能であれば、生前に本人の希望や菩提寺の有無を確認しておくことも、残された家族の負担を軽くする備えになります。
特に、家族の誰か一人がすべてを抱え込まずに済むよう、搬送・打ち合わせ・参列者対応・行政手続きといった役割をあらかじめ分担しておく意識を持っておくと、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります。
掲載している法令・手続きの情報は取材時点のものです。
個別の状況によって手続きの詳細は異なるため、実際の対応は葬儀社や市区町村の窓口にご確認ください。
本記事は公的資料および実際の体験談をもとにそなえ暮らしガイド編集部が作成しています。









