この記事は誰のための比較ガイド?結論から
「遺言書 書き方 弁護士」で検索したということは、自分で遺言書を書くべきか、それとも弁護士など専門家に頼むべきかを迷っている段階だと思います。
結論から言うと、財産の構成がシンプルで相続人同士がもめる心配が少ないなら、自筆証書遺言を法務局の保管制度と組み合わせて自分で書く方法でも十分なケースが多く、財産が多い・相続人が疎遠・前婚の子どもがいるなど争いの火種があるなら、公正証書遺言を弁護士に相談しながら作る方が安全です。
この記事では、遺言書の3つの種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)の違いと、遺言書作成を依頼できる専門家(弁護士・行政書士・司法書士・公証役場・法務局)を比較しながら、あなたのケースにはどの選択肢が向いているかを整理します。
読み終える頃には、「まず何から手をつければいいか」がはっきりするはずです。
遺言書選びで押さえておきたい4つの比較軸
遺言書の種類や相談先を選ぶ前に、何を基準に比較すればよいかを先に押さえておきましょう。判断軸は主に次の4つです。
- 法的な確実性:形式の不備で無効になりにくいか、内容に法律的な不備がないか
- 費用:作成自体にかかる実費と、専門家に依頼した場合の報酬
- 手間・時間:証人の手配や公証役場とのやり取りなど、完成までにかかる労力
- 専門家の関与度合い:自分だけで完結できるか、誰かのチェックや代理交渉が必要か
この4つのうち、どれを一番重視するかによって最適な選択肢は変わります。
例えば「費用を抑えたい」なら自筆証書遺言、「確実性を最優先したい」なら公正証書遺言、というように優先順位が変わってくるからです。
次の章では、まず遺言書そのものの種類を比較していきます。
遺言書の種類を比較する【本題】
遺言書の書き方を考えるうえでまず知っておきたいのが、遺言には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、それぞれ作成方法も法的な安全性も異なるという点です。
ここでは実務でよく使われる順に、3つの種類のメリット・デメリットと向いている人を比較します。

自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自分の手で書き、押印して作成する遺言書です。2019年の法改正により、財産目録だけはパソコンでの作成や通帳のコピー添付が認められるようになりました。
メリットは、費用がかからず、思い立ったときにいつでも書き直せる手軽さです。
一方でデメリットもあります。日付や署名の抜けなど形式の不備で無効になるリスクがあり、自宅で保管すると紛失・改ざん・発見されないおそれも否定できません。
また、相続開始後は原則として家庭裁判所での「検認」という手続きが必要です。
検認とは、相続人に遺言の存在と内容を知らせ、偽造・変造を防ぐための確認手続きで、裁判所の公式情報によれば、遺言書の保管者や発見した相続人が家庭裁判所に申し立てる必要があります。
この紛失・改ざんリスクと検認の手間を軽減するために用意されているのが、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」です。
手数料は1件3,900円で、法務局に預けた自筆証書遺言は検認が不要になります(詳細は後述の「法務局」の項目を参照)。
財産構成がシンプルで、まずは費用をかけずに書いてみたい人に向いている方式です。
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人が遺言者から内容を聞き取り、公証役場で作成する遺言書です。原本は公証役場に保管され、遺言者には正本・謄本が渡されます。
最大のメリットは法的な安全性の高さです。
公証人が関わるため形式不備による無効のリスクがほとんどなく、原本が公証役場で保管されるため紛失・改ざんの心配もありません。
相続開始後の検認も不要なので、相続人がすぐに手続きを進められます。
デメリットは費用と手間で、日本公証人連合会の公式サイトによれば、手数料は財産の価額に応じて段階的に定められ、財産が1億円以下の場合は「遺言加算」として一律1万1,000円が上乗せされます。
さらに証人2名の手配や、公証役場への来訪(または出張費)も必要です。
専門家に案文作成や証人手配まで依頼した場合の総費用は、一般的に10万円台から30万円程度が目安とされています。
財産が多い、相続人間でもめる可能性がある、確実性を最優先したい人に向いています。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言の内容を誰にも知られずに、遺言書の存在だけを公証人と証人に証明してもらう方式です。自筆証書遺言と違い自書である必要はなく、パソコンで作成したり代筆してもらったりすることも可能です。
ただし、公証人は封をされた遺言書の中身を確認できないため、内容に法律的な不備があっても気づかれないまま無効になる危険性が残ります。
相続開始後は自筆証書遺言と同様に家庭裁判所での検認も必要です。
実務上は「公正証書遺言ほどの確実性はいらないが、内容を誰にも見られたくない」という限られたケースで選ばれることが多く、3種類のなかでは利用件数が最も少ない方式です。
強いこだわりがある場合を除き、多くの人には自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかで十分というのが実情です。
遺言書作成を専門家に依頼するなら?相談先5つを比較
遺言書の種類を決めたら、次に考えたいのが「誰に相談・依頼するか」です。遺言書の書き方について弁護士に相談すべきか迷っている人向けに、代表的な相談先を5つ比較します。

弁護士
弁護士に相談する最大の強みは、相続人同士で意見が対立した場合に、代理人として交渉したり、家庭裁判所での手続きを代理できる唯一の専門家である点です。
日本弁護士連合会も、遺言書の作成方法から遺贈の手続き、相続トラブルの解決まで幅広く対応できるのは弁護士の特徴だとしています。
費用は相談料が30分5,500円程度、遺言書作成のサポートは財産額や複雑さに応じて10万円台から数十万円が目安です。
相続人が多い・疎遠・前婚の子がいる・遺留分でもめそうといった、争いの火種がある人に向いています。

相続分野に強い弁護士を探すなら、相続弁護士ドットコムのようなポータルサイトで、地域や相談内容から弁護士を検索する方法も参考になります。
行政書士
行政書士は、遺言書の案文作成など書類作成を専門とする専門家です。
費用は弁護士より抑えられ、一般的な相場は5万円から15万円程度とされています。
ただし、行政書士には代理交渉権や訴訟の代理権がないため、相続人間で争いが起きた場合には対応できません。
家族関係が円満で、争いの心配が少なく、費用を抑えて確実な遺言書を作りたい人に向いています。

相続専門の税理士法人が運営する行政書士法人チェスターの遺言書作成支援サービスは、税理士・司法書士とグループで連携し、相続税の試算まで含めてワンストップで相談できるのが特徴です。
司法書士

司法書士も行政書士と同様に遺言書の案文作成を相談でき、費用感もほぼ同水準です。
司法書士ならではの強みは、不動産の相続登記まで見据えて相談できる点で、遺言書に不動産を含める場合は特に相性がよい専門家です。
日本司法書士会連合会も、有効で間違いのない遺言書を作成するサポートを行っており、全国の司法書士会に相談窓口を設けています。
行政書士と同様、代理交渉や訴訟の代理はできないため、不動産の名義変更まで含めて一括で相談したい、争いの心配が少ない人に向いています。
公証役場
公証役場は、専門家への依頼を挟まず公正証書遺言を作成する場所そのものです。
公証人への相談自体は無料で、案文をある程度自分で用意できるなら、弁護士や行政書士を通さずに直接公証役場とやり取りして公正証書遺言を作ることもできます。
費用は前述の通り財産額に応じた手数料と遺言加算1万1,000円が基本です。
案文作成に不安がなく、専門家報酬をかけずに公正証書遺言の確実性だけを得たい人に向いています。
法務局(自筆証書遺言書保管制度)

法務局の自筆証書遺言書保管制度は、自分で書いた自筆証書遺言を法務局に預け、紛失・改ざんを防ぎつつ検認も不要にできる制度です。
法務省の公式情報によれば、保管の申請手数料は1件3,900円で、以降の保管に追加費用はかかりません。
申請の際に法務局の担当者が日付や署名など外形的な様式はチェックしてくれますが、遺言の内容そのものが有効かどうかまでは保証されない点には注意が必要です。
自筆証書遺言を選びつつ、紛失・改ざんのリスクだけは避けたい人に向いています。
「まずは誰かに話を聞いてほしい」という段階なら、弁護士法人と連携して終活・相続の相談に無料で対応している窓口を使うのも一つの方法です。
弁護士への相談が向いている人・向いていない人

ここまでの比較を踏まえると、弁護士への相談が特に向いているかどうかは「相続人同士で争いが起きる可能性があるかどうか」で判断できます。
- 相続人の中に前婚の子や疎遠な親族がいる
- 特定の相続人に財産を多く残したいなど、不公平感が出やすい内容にしたい
- 事業承継や賃貸不動産など、財産構成が複雑
- すでに相続人同士で意見が食い違っている、または将来もめそうな気配がある
一方で、次のようなケースは行政書士や司法書士、あるいは自筆証書遺言+法務局の保管制度でも十分対応できることが多いです。
- 相続人が配偶者と子どものみで、関係も良好
- 財産が自宅と預貯金程度でシンプル
- まずは費用をかけずに遺言書を作ってみたい
なお、弁護士も行政書士も司法書士も、公正証書遺言の案文作成や証人の手配をサポートできる点は共通しています。
決定的な違いは、相続人間で実際に争いが起きたときに代理交渉や裁判の代理ができるかどうかです。
実際に、遺産分割の話し合いが行き詰まってしまい、弁護士に相談したことでスムーズに進んだという声も寄せられています。
大きな遺産ではなかったが、土地などがあって複雑で、葬儀を終えて家族全員が疲れ果てていたこともあり、話し合いが全く進まなかった。最終的には知人の弁護士に相談したところ、そこからとてもスムーズに相続手続きが進んだ。最初からお願いしておけばよかったと感じている。
迷ったときは、まず無料相談を行っている窓口で状況を話し、必要な専門家の見立てをもらうところから始めるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
- 遺言書は自分で書いても法的に有効ですか?
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全文・日付・氏名を自書し押印するなど、民法で定められた要件を満たせば自筆証書遺言として有効です。
ただし日付の記載漏れや押印忘れなど、わずかな不備で無効になるケースもあるため、不安な場合は法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用するか、専門家に内容を確認してもらうと安心です。
- 遺言書の作成を弁護士に頼むといくらかかりますか?
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初回の法律相談料は30分5,500円程度が一般的な目安です。
遺言書作成のサポートまで依頼する場合は、財産額や内容の複雑さに応じて10万円台から数十万円程度が相場とされています。
事務所によって初回相談無料の場合もあるため、依頼前に見積もりを確認するとよいでしょう。
- 公正証書遺言の費用はどれくらいですか?
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公証役場に支払う手数料は財産の価額に応じて段階的に決まり、財産が1億円以下の場合は遺言加算として1万1,000円が上乗せされます。
専門家に案文作成から証人手配まで依頼した場合の総費用は、一般的に10万円台から30万円程度が目安です。
- 行政書士と弁護士、どちらに頼むべきですか?
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相続人同士で争いが起きる可能性が低く、書類作成のサポートだけで足りるなら行政書士や司法書士で十分なケースが多いです。
相続人間で意見が対立している、または対立しそうな場合は、代理交渉や裁判対応ができる弁護士に相談することをおすすめします。
- 遺言書は一度書いたら書き直せませんか?
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何度でも書き直すことができます。複数の遺言書が見つかった場合は、原則として日付が新しいものの内容が優先されます。
自筆証書遺言であれば費用もかからないため、家族構成や財産状況が変わったタイミングで書き直す人も少なくありません。
- 法務局の保管制度を使えば遺言の内容も保証してもらえますか?
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法務局が確認するのは日付や署名など外形的な様式のみで、遺言の内容そのものが法的に有効かどうかまでは保証されません。
内容面の確実性まで求める場合は、公正証書遺言を選ぶか、専門家に内容を確認してもらう必要があります。
まとめ
遺言書の書き方を考えるときは、まず自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言という3つの種類の違いを理解し、そのうえで争いが起きる可能性があるかどうかを基準に相談先を選ぶと迷いにくくなります。
財産構成がシンプルで家族関係も良好なら、自筆証書遺言と法務局の保管制度の組み合わせで十分なことが多く、逆に財産が多い・相続人間で意見が食い違いそうな場合は、公正証書遺言を弁護士に相談しながら作成するのが安心です。
行政書士や司法書士も費用を抑えつつ確実な遺言書を作る選択肢として有力です。まずは自分のケースがどちらに近いかを整理し、無料相談を行っている窓口から一歩を踏み出してみてください。
本記事は法務省・日本公証人連合会・裁判所・日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会などの公的機関の公開情報をもとに、そなえ暮らしガイド編集部が作成しています。
法律・税務に関わる具体的な判断は、必ず弁護士・行政書士・司法書士などの専門家にご確認ください。








