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老人ホームの費用相場は?月額・入居金の内訳と負担を抑える制度を解説

2026 8/19
老人ホーム
2026年7月30日2026年8月19日

老人ホームの費用相場は、施設の種類によって月額11万円台から26万円程度まで幅があります。老人ホーム選びを検討し始めると、多くの方が最初にぶつかるのが「結局いくらかかるのか」という疑問ではないでしょうか。

月々の利用料に加えて、入居時にまとまった一時金が必要になるケースもあり、総額を把握しないまま検討を進めると、後になって想定外の負担に驚くことになりかねません。

本記事では、厚生労働省の調査データをもとに、老人ホームの費用相場と内訳、費用を抑えるための公的制度までを整理します。

そなえ暮らしガイド編集部
執筆者
そなえ暮らしガイド編集部 詳細を見る

公的統計データや、編集部が独自に実施したアンケート調査など、一次情報をもとに記事を作成しています。法律・税務・医療に関わる判断は専門家にご確認ください。詳しい制作方針はコンテンツ制作ポリシーをご覧ください。

目次

老人ホームの費用相場は月額11万円台〜26万円程度が目安

老人ホームの種類別月額費用相場を比較した図解

厚生労働省が実施した調査では、施設の種類ごとに月額費用(家賃相当額・管理費・介護サービス費・食費・光熱費などの合計、介護保険サービスの自己負担分は除く)の平均額が公表されています。

介護付き有料老人ホームなど(特定施設)の平均は月額25万7,435円、サービス付き高齢者向け住宅(非特定型)は平均約14万2,000円、住宅型有料老人ホームは平均約11万2,000円となっており、施設の種類だけで倍以上の差が出ることが分かります。

この数字はあくまで全国平均であり、実際の費用は立地や部屋の広さ、受けられるサービス内容によって大きく変動する点には注意してください。

出典:厚生労働省老人保健事業推進費等補助金「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究」報告書(令和4年3月)

老人ホームの費用は「入居金」と「月額費用」の2階建て構造

老人ホームの費用構造(入居金と月額費用の内訳)を示す図解

老人ホームの費用は、入居時に一度だけ支払う「入居金」と、毎月継続して支払う「月額費用」の2つで構成されています。入居金はさらに、原則として退去時に返還される「敷金・保証金」と、家賃を前払いする性質を持つ「前払金」に分かれます。

前払金は数年単位の償却期間を設けて月割りで消化されていく仕組みが一般的で、途中で退去した場合は未償却分が返還されるのが基本です。

前掲の調査によると、前払金の平均額は介護付き有料老人ホーム等で約243万円です。前払金を実際に設定している施設だけに絞ると、平均は約718万円まで上がります。一方、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では前払金を設定していない施設が6〜7割程度を占めます。

敷金・保証金についても、介護付き有料老人ホーム等の平均は約9万5,000円で、施設の半数程度は0円としています。

「入居金があるかどうか」自体が施設によって大きく違うため、資料を見比べる際は入居金の有無・金額と、月額費用の両方を必ず確認する習慣をつけておくと安心です。

老人ホームの種類別にみる費用相場の違い

介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の3類型は、前述の調査で費用相場が具体的に公表されています。この差が生まれる大きな理由は、介護サービスの提供方法の違いです。

介護付きは24時間体制の介護サービス費があらかじめ月額費用に組み込まれているのに対し、住宅型やサ高住は住まいとしての家賃・管理費が中心で、介護が必要になった際は外部の訪問介護・デイサービス等を個別に契約して積み上げる仕組みになっています。

そのため、要介護度が低いうちは住宅型・サ高住の方が総額を抑えやすく、介護度が上がって外部サービスの利用量が増えると、結果的に介護付きとの差が縮まるケースもあります。

一方、特別養護老人ホーム(特養)は公的な介護保険施設のため、月額費用が他の類型より低く抑えられているのが特徴です。

ただし原則要介護3以上でなければ申し込めず、人気の高い施設では入居までの待機期間が数か月〜数年に及ぶこともあります。

グループホームも認知症の診断や施設と同一市区町村の住民票が必要になるなど、種類ごとに入居条件が大きく異なるため、費用だけで比較すると選択肢を見誤ることがあります。

各種類の特徴・入居条件・メリットデメリットは老人ホームの種類と違いを解説した記事で詳しく整理しているので、あわせて確認しておくことをおすすめします。

老人ホームの費用が変わる5つの要因

  • 立地・地域:都市部は地代・家賃相当額が高く、同じ種類の施設でも郊外より費用が高くなる傾向があります
  • 居室タイプ・広さ:個室か多床室か、専有面積が広いほど費用は上がります
  • 要介護度:介護サービス費は要介護度が上がるほど段階的に高くなる仕組みです
  • 食費・水光熱費の実費部分:施設の食事内容や個別の光熱費契約の有無によって差が出ます
  • 前払金の有無・償却方式:前払金がある施設は月額費用がやや抑えられる代わりに初期費用が大きくなる傾向があります

同じ「介護付き有料老人ホーム」という種類の中でも、これらの要因の組み合わせによって月額費用が数万円〜十数万円単位で変わります。

特に要介護度は入居後も変動するものなので、「今の要介護度なら〇円だが、要介護度が上がるとどこまで増えるか」という将来の見通しまで資料や見学時の説明で確認しておくと、入居後の想定外の負担を減らせます。

資料請求の際は、種類だけでなく、これらの条件がどう設定されているかまで確認すると、実際の負担額をより正確にイメージできます。

介護保険の自己負担割合と費用への影響

月額費用のうち介護サービスにあたる部分は、介護保険が9割(または8割・7割)を給付し、利用者は原則1割を自己負担する仕組みです。ただし一定以上の所得がある方は、自己負担割合が2割または3割に引き上げられます。

具体的には、単身世帯なら合計所得金額160万円以上かつ年金収入とその他の合計所得金額280万円以上、夫婦世帯なら346万円以上で2割負担です。さらに単身世帯で合計所得金額220万円以上かつ340万円以上、夫婦世帯で463万円以上になると3割負担となります。

出典:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」(令和7年7月)

この自己負担割合が適用されるのは、あくまで介護サービス費の部分だけです。

居住費(家賃相当額)や食費、日常生活費は介護保険の対象外で全額自己負担となるため、月額費用の内訳を確認する際は「どこまでが保険適用で、どこからが実費か」を意識して見る必要があります。

費用を抑えるための公的制度|高額介護サービス費・負担限度額認定

高額介護サービス費の負担上限額を所得区分別に示した図解

1か月に支払った介護サービスの自己負担額が上限を超えた場合、その超えた分が払い戻される「高額介護サービス費」という制度があります。負担の上限額(月額)は所得区分によって異なり、生活保護受給者等は1万5,000円(世帯)、住民税非課税世帯は2万4,600円(世帯)、市町村民税課税〜課税所得380万円未満の一般的な世帯は4万4,400円(世帯)、課税所得380万円以上690万円未満は9万3,000円(世帯)、課税所得690万円以上は14万100円(世帯)が上限です。

申請には市区町村への手続きが必要なので、対象になりそうな場合はケアマネジャーや施設の相談員に確認するとよいでしょう。

出典:厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」

なお、食費・居住費を軽減する「負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)」という別の制度もありますが、こちらは特別養護老人ホームなど介護保険施設とショートステイが対象で、有料老人ホームやサ高住の家賃・食費には適用されません。「老人ホームの費用を軽減する制度」とひとくくりに調べると混同しやすいので、検討している施設の種類がどちらの制度の対象になるのかを事前に確認しておくことが大切です。

正確な費用を知るには資料請求から

老人ホームの資料を並べて比較する様子

ここまで紹介した金額はあくまで全国平均であり、実際にいくらかかるかは、希望するエリア・施設・部屋タイプによって個別に確認する以外に正確に知る方法はありません。複数の施設から資料を取り寄せて、入居金の有無・月額費用の内訳・追加費用の条件を横並びで比較することが、想定外の負担を避ける一番の近道です。

特に「介護度が上がった場合に月額費用がどう変わるか」「途中で退去した場合の前払金の返還条件」は、パンフレットの一覧表だけでは分かりにくいポイントなので、資料請求後の問い合わせや見学時に必ず確認しておきましょう。

どのサービスで資料請求をすればよいか迷う場合は、老人ホームの資料請求サービスの比較記事で特徴を整理しています。

老人ホームの費用に関するよくある質問

老人ホームの費用は月々いくら用意すればいいですか?

施設の種類によって大きく異なりますが、全国平均では住宅型有料老人ホームで月額11万円台、サービス付き高齢者向け住宅で月額14万円程度、介護付き有料老人ホームで月額26万円程度が目安です。

これに加えて、施設によっては入居時の一時金が必要になります。

入居金(前払金)は必ず必要ですか?

必ずしも必要ではありません。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、前払金を設定していない施設が6〜7割程度を占めます。

一方で介護付き有料老人ホームでは前払金がある施設も多いため、資料で必ず確認しましょう。

年金の範囲内で老人ホームに入居できますか?

費用の安い施設の種類やプランを選べば、年金の範囲内でまかなえるケースもあります。

ただし個人差が大きいため、まずは希望するエリア・種類の施設から資料請求をして、実際の月額費用と年金収入・貯蓄を照らし合わせて確認することをおすすめします。

高額介護サービス費はどうやって申請しますか?

お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に申請します。

一度申請すると、以降は自動的に払い戻される自治体が多いですが、運用は自治体によって異なるため、対象になりそうな場合はケアマネジャーや施設の相談員、市区町村の窓口に確認するとよいでしょう。

老人ホームの費用は税金の控除対象になりますか?

施設の種類やサービス内容によっては医療費控除の対象になる場合があります。対象となる費用の範囲は個別の事情によって判断が分かれるため、確定申告の際は国税庁の案内や税理士に確認することをおすすめします。

まとめ

老人ホームの費用相場は、施設の種類によって月額11万円台〜26万円程度と幅があり、これに入居金の有無・金額が加わります。

まずは費用の全体構造(入居金と月額費用の2階建て)を理解したうえで、複数の施設から資料を取り寄せ、条件を横並びで比較することが、想定外の負担を避ける近道です。介護保険の自己負担割合や高額介護サービス費といった公的制度もあわせて確認しながら、無理のない資金計画を立てていきましょう。

本記事は公的統計・調査データをもとにそなえ暮らしガイド編集部が作成しています。法律・税務・介護保険の手続きに関わる判断は、専門家や自治体窓口にご確認ください。

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そなえ暮らしガイド編集部です。終活・老後の暮らしにまつわる情報を、公的機関の統計・調査データや各分野の一次情報をもとに、わかりやすくお届けしています。

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