「実家のお墓に、あとどれくらい骨壺が入るのだろう」。親のお墓のことを考え始めると、こんな疑問にぶつかる方は少なくありません。
結論から言うと、一般的なお墓のカロート(納骨室)に入る骨壺は6〜8個程度が目安です。ただしこれは墓地の区画の広さや骨壺のサイズによって大きく変わります。
この記事では、骨壺の種類とサイズの選び方、お墓に入る個数の目安、そしていっぱいになったときの具体的な対処法まで、終活・お墓の基礎知識としてわかりやすく整理しました。
骨壺とお墓の関係を知っておこう

骨壺とは何か
骨壺とは、火葬のあとに残ったご遺骨を納めるための壺のことです。
日本では厚生労働省の衛生行政報告例(政府統計の総合窓口 e-Stat)にまとめられているとおり、火葬場での火葬を経て埋葬するのが国内でのほぼ標準的な流れです。火葬されたご遺骨は骨壺に納められ、四十九日や納骨式のタイミングでお墓へ運ばれます。
火葬場では、骨壺のほかに白木の「骨箱」と呼ばれる箱に骨壺ごと収め、白い布(骨覆い)で包んで渡されるのが一般的です。この骨箱と骨覆いは、そのまま納骨式まで自宅の後飾り祭壇に安置しておく地域が多く、四十九日を迎えるまでは自宅で丁寧に保管しておく期間になります。
お墓の「カロート」に骨壺を安置する仕組み
骨壺を安置する場所は、墓石の下にある「カロート」と呼ばれる納骨室です。
カロートは地下にあるタイプと、地上に半分露出しているタイプの2種類があります。骨壺は基本的にこのカロートの中に、代々のご先祖のものと一緒に安置されていきます。
地下カロートは湿気がこもりやすく、湿度対策として底に砂利を敷いたり、すのこ状の台を設置したりする設計が一般的です。一方、地上カロートは扉を開けて出し入れしやすい反面、外気の影響を受けやすいという違いがあります。
つまり、新しく骨壺を納めるたびに、カロートの中の空きスペースは少しずつ減っていくということです。だからこそ「あと何個入るのか」という疑問が生まれます。
骨壺の種類とサイズ
素材による違い
骨壺の素材には、大きく分けて陶器製・金属製・木製・自然に還る素材の4種類があります。
- 陶器製:もっとも一般的。白磁や有田焼など、絵柄や色のバリエーションが豊富
- 金属製:真鍮やステンレス製で耐久性が高いが、結露しやすい面もある
- 木製:桐箱などに直接納める簡易的な形で、費用を抑えやすい
- 自然に還る素材:土に還ることを想定した素材で、樹木葬など自然志向の埋葬と相性が良い
陶器製がもっとも流通量が多く、価格帯も幅広いため、迷ったときの第一候補になります。なぜなら陶器製は湿気による劣化が少なく、長期間カロートの中に安置しても状態が保たれやすいからです。
金属製は見た目が重厚で贈答用としても選ばれますが、内部に結露が生じやすく、ご遺骨が湿気を含んでしまう場合があります。カロートの湿度が高い墓地では、二重蓋になっているものや、内側に吸湿シートが付いたタイプを選ぶと安心です。
木製は費用を抑えやすい一方、湿気そのものを吸収しやすいため、雨の多い地域や地下カロートでは傷みが早く進むことがあります。長期間の安置を前提とするなら、木製は簡易的な位置づけとして考えておくのが無難です。
自然に還る素材は樹木葬や散骨と組み合わせて選ばれることが増えていますが、通常のカロートに長期間安置する用途にはあまり向きません。将来どのような埋葬方法を選ぶ可能性があるかも踏まえて、素材を決めるとよいでしょう。
いずれの素材でも、蓋の密閉性が高いものほどご遺骨の状態を保ちやすい傾向があります。購入時は見た目だけでなく、蓋の合わせ目やパッキンの有無も確認しておきましょう。
収骨の量に東西で違いがあること一般的な家族墓のカロートには6〜8個程度の骨壺が収まる 結局のところ、正確な収容数はそのお墓を建てた石材店や霊園に確認するのが一番確実です。
その場合でも、慌てて新しいお墓を建てる必要はありません。 ご遺骨を丁寧に扱う専門知識と設備が必要なため、専門業者に依頼するのが一般的です。 厚生労働省の衛生行政報告例 この10年でおよそ1.7倍に増えており、お墓の継承やカロートの容量に悩む家庭が全国的に増えていることがうかがえます。
「お墓は元々あったので、納骨も49日法要もスムーズにいきました。ただ墓石に名前を彫るのは霊園ではなく石材店に依頼するとのことで、そのあたりの役割分担が分からず戸惑うこともありました」
家族の心理的な抵抗が少なく選ばれやすい方法 現地を見ないまま骨壺だけ先に用意すると、サイズが合わず入らないというトラブルにつながります。 費用だけでなく手続きにかかる時間も見込んでおくと安心です。 「今のお墓を今後も維持していく人がいるかどうか」お住まいの地域の収骨の慣習(全収骨か部分収骨か)に合わせるのが基本です。関東であれば7〜8寸、関西であれば5〜6寸を選んでおけば、多くの場合問題ありません。迷ったときは火葬場や葬儀社のスタッフに確認しましょう。
墓地の区画や骨壺のサイズによって異なりますが、一般的な家族墓であれば6〜8個程度が目安です。多段式のカロートであれば、さらに多く安置できる場合もあります。正確な数は霊園や石材店に確認してください。
ご遺骨を粉末状にする「粉骨」でコンパクトにする方法、合祀墓・永代供養墓へ改葬する方法、古い世代のご遺骨だけをまとめる方法の3つが主な選択肢です。家族の意向や予算に合わせて選ぶとよいでしょう。
可能ですが、カロートに入るサイズかどうかを事前に確認する必要があります。特にすでにお墓があり、カロート内に残りスペースが少ない場合は、石材店や霊園に相談してからサイズを決めることをおすすめします。
合祀・永代供養への改葬の場合、3万円〜30万円程度が目安です。これに加えて、墓地管理者が発行する埋蔵証明書や、市区町村発行の改葬許可証といった書類の手続き費用もかかります。事前に自治体や霊園へ確認しておくと安心です。
法律上、骨壺を自宅に安置し続けること自体に問題はありません。四十九日を過ぎても手元に置いておく「手元供養」を選ぶ方もいます。ただし将来的にどう扱うかを決めていないと、次の世代が対応に困ることもあるため、方針は早めに家族で共有しておきましょう。

